高血圧と上手につき合うために

―整体師が考える自然なアプローチ―

1.血圧は「体の末端まで血を届けるための知恵」

私たちの体は、脳や心臓だけでなく、指先・足先まで酸素と栄養を送り続けなくてはなりません。
とくに寒さや運動不足で血の巡りが悪くなると、ポンプ役の心臓は圧を少し上げてでも末梢へ血液を届けようとします。
血圧上昇は“敵”ではなく、体が環境に合わせてくれる“調整弁”。まずはこの視点を持つことが大切です。

2.年齢とともに血圧が上がるのは自然な流れ

年を重ねると血管壁の弾力が弱まり、全身の必要酸素量も変わります。
その結果、ある程度の血圧上昇は身体が自分を守るための自然現象ともいえます。
「若いころの数値に戻さなければ」と過度に恐れるより、生活全体を整え“自分らしい適正圧”を探る姿勢が大切です。

3.「減塩」より「良塩」――ミネラルが巡りを助ける

塩分を極端に控えると血液の電解質バランスが崩れ、逆に巡りが悪くなる場合もあります。
天然塩や海塩など“ミネラルを豊富に含む良質な塩”を適量とることで、
体液の濃度が整い、神経・筋肉の働きもスムーズに。
「しょっぱさ」より“質”を意識して選ぶことがポイントです。

4.筋肉は第二の心臓――ウォーキングとスクワット

ふくらはぎや太ももの筋肉が収縮・弛緩を繰り返すと、静脈血を心臓へ押し戻すポンプ作用が働きます。

  • 1日30分のやや速歩
  • 週2~3回のゆっくりスクワット

この二つだけでも下半身の筋ポンプが目覚め、心臓の負担を分散。
息が切れない程度から始め、継続することがコツです。

5.柔らかい筋肉が血管の通り道を広げる

硬く縮こまった筋肉は血管を圧迫します。

  • 朝晩の軽いストレッチ
  • 気持ちよい程度のセルフマッサージ
  • 38~40℃の入浴で深部を温める

こうした習慣で筋肉をしなやかに保てば、血流の道が広がり、心臓が無理に圧を上げる必要も減ります。

6.毎日同じ時刻に測定し「自分の平常値」を知る

血圧は時間や気温、前日の睡眠で大きく変動します。
毎日ほぼ同じ条件(起床後・排尿後・朝食前など)で測ると、体調の微妙な変化が読み取りやすくなります。
数字は「体からのメッセージ」。上がった日も慌てず、前日の行動や気候をメモしておくと原因と対策が見えやすくなります。

7.整体師としてお伝えしたいこと(まとめ)

  1. 血圧は体の自己調整能力の一端。むやみに抑え込むより“働きやすい環境”を整えることが先。
  2. 良質な塩・適度な運動・十分な柔軟性――この三本柱が自然な巡りを支える。
  3. 数値はあくまで参考指標。毎日の記録を“健康の日記”として活かしましょう。

私は施術の中で背骨・骨盤の動きを滑らかにし、呼吸を深めることで血流改善をめざしています。
ですがこの記事は治療を目的としたものではなく、整体師としての経験に基づく一般的な提案です。
持病や服薬中の方は、必ず医師・薬剤師と相談したうえで生活習慣を調整してください。

身体の声に耳を澄まし、自分らしいリズムで毎日をお過ごしください。

※個人の感想であり、成果や成功を保証するものではありません。